真空管アンプとエレキギターの音色とは

一般的に真空管アンプは「暖かみのある音がする」と表現されます。
この表現はオーディオ評論にありがちな「個人的な好み」といった不確定要素ではなく、科学的にも立証されているものです。
エレキギターなどを演奏した経験をお持ちの方であればご存知かも知れませんが、最高級のギターアンプには真空管を採用しているものが非常に多いのです。
なぜ、最高級のギターアンプに真空管を採用しているのかというとギターの「楽器としての鳴き」(ディストーション)が、真空管でしか出せない音色だからです。
真空管でしか出せない音色とは、真空管の特性である「偶数次高調波歪み」にあります。
楽器の音に豊富に含まれる“倍音”と同じ成分であるこの偶数次高調波を含んだ音は、人間の耳に心地よくまろやかな音色に聴こえます。
これがいわゆる“暖かみ”と表現されるものなのです。
真空管アンプの出力は高いものはすくなく、20ワット前後の低出力のものも多いのですが、実際の視聴ではパワー不足を感じることはほとんどありません。
むしろ低音量でもクリアで解像感があり、誇張や押し出しが少なく、自然な音を提供してくれます。
真空管アンプがオーディオ愛好家に好まれる理由はここにあると言えるでしょう。

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